【評論】線を引く公式①
現代文の先生に、
評論は大事なとこに線を引いたら良いんだよ、
と言われますよね。
でも結局、
どこに線を引けばいいの?
と。
特に理系の方ほど困惑してしまうのではないですか?
先生が感覚的に線を引くので、
評論文はセンスなのかなと思ってしまったり、、、
今回は、
そんな理系のために、
評論での線の引き方の公式を紹介します。
まず前提として、
本文に線を引くのはなぜかというと、
一度通読して次に設問に答えるときに、
本文をまた1からすべてを読むのと、
時間がかかってしまうからです。
時間短縮のために線を引くだけでなく、
線を引くことで筆者の言いたいことやメッセージを、
明確にできるので理解しやすくなります。
評論で特によく使われるのは、
「論と例」という関係の文章です。
そして、
論と例の関係で重要なのは論の方です。
例のほうが内容的には理解しやすいのですが、
評論では例はあまり重要ではないです。
(例1)
私はスポーツ観戦が好きです。
例えば、野球やサッカーやバレーをよくテレビで見ます。
例1では、
「スポーツ観戦が好き」を説明する文として、
その後ろに例が書かれています。
抽象論と具体例とも言いますが、
論が抽象的であればあるほど、
読者にとってはイメージしにくくなるので、
具体的な例を出してイメージできるように書くのです。
(例2)
ヨーロッパ式の庭園は、左右対称で幾何学的図形をなしている花壇や、やはり幾何学的図形を石組みで作り出し、中央に噴水を出した泉水や、丸く刈り込んだ樹木や大理石その他の彫刻を置いた、よく手入れされた芝生など、人間の造形意志をはっきり示しているところに特色がある。
(山本健吉「日本の庭について」による)
例2では、
論は、
ヨーロッパ式の庭園は、人間の造形意志をはっきり示しているところに特色がある、
という部分で、
左右対称 ~略~ よく手入れされた芝生など、
までがヨーロッパ式の庭園の具体例になっています。
これも、
「ヨーロッパ式の庭園」というのは、
抽象的であるので具体的に書かれています。
筆者が言いたいのは、
「ヨーロッパ式の庭園」そのものでなく、
「ヨーロッパ式の庭園は、人間の造形意志をはっきり示している」
ということなのです。
つまりは、
「ヨーロッパ式の庭園は、人間の造形意志をはっきり示している」
に線を引けばいいということです。
「例」と同様に扱えるのは、
「比喩」・「経験」・「体験」です。
抽象的な論に対して、
同じ内容で詳しく説明しているだけなので、
本文に例やexとでも書いておきましょう。
また「引用」も「例」のくくりとしてよいですが、
「引用」は筆者の論と
同じ内容か反対内容か判断してください。
一般論の部分を「引用」して、
筆者はそれに反対するということもあります。
そして、線を引くポイントとして、
何よりも論と例を見分けることが重要です。
多くの場合、
「例えば」「具体的に言うと」「引用」
などが書かれていますが、
書かれない場合もあります。
書かれていない場合は、
言葉の抽象度で見分けてください。
生き物⇒魚⇒マグロ、サンマ
生き物⇒鳥⇒ハト、ワシ
甘いもの⇒ホワイトチョコ、ケーキ
のように言葉で抽象か具体かを判断します。
例とわかれば、
読むスピードを上げて読み、
論とわかれば、
そこに線を引いておく、
こうすることで、
時間をかなり短縮できます。
そして、
筆者の論に線が引いてあれば、
設問に答えるときに、
何度も例を読まなくても、
論だけ読めばよいのです。